宗教に関係なく年の始めには「初詣」に出かけ、一年の“いろいろ”をお願いする人が多いようですね。日本にはたくさんの神社がありますが、平成16年世界遺産に登録されてからスポットを浴びているのが、紀伊半島南部にある熊野地方。平安時代の終わりから神仏習合の聖地として篤い信仰を集めてきたこの地は、日本を代表する有数のヒーリングスポットでもあります。
熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の三社を合わせて熊野三山と称しています。熊野信仰の総本山「本宮大社」へ至る道が熊野古道ですが、昔は「くまのみち」や「熊野街道」と呼ばれ、伊勢や大阪・京都から入る複数のルートがありました。そのなかでも保存状態の良い部分を「熊野参詣道」として国の史跡に指定しています。昔の人たちにとっては熊野が浄土とイコールだったようで、多くの参詣者たちは熊野古道を歩いて本宮大社を目指したといいます。美しくも厳しい自然のなかには、すばらしいヒーリングパワーが満ちています。

●古道にはこのような標識が多く、分かりやすい
【熊野本宮大社】
熊野信仰の総本山。全国に3千以上ある熊野神社の総本宮。鳥居から本殿へは129の石段が続き、「熊野大権現」のノボリがはためいています。特徴的なのは、鳥居を一歩入るや、とても強いパワーが感じられること。本宮大社の神様のお使いはヤタガラスですが、「勝利へ導く」という意味から日本サッカー協会のシンボルになったのはあまりにも有名ですね。
●この石段を登るだけでも体内にエネルギーがいただける
●「大斎原(おおゆのはら)」<本宮より約10分>
熊野本宮大社はもともとは熊野川の中州にありましたが、明治の大洪水で流され、現在の場所に移されました。旧社地は大斎原と呼ばれ、日本で一番大きな鳥居が建てられています。鳥居の右奥の林は最初の社地だけに、とても強いヒーリングエネルギーを感じる場所です。
●かつての社地・大斎原。本宮を訪れたら必ず足をのばしたい ●大斎原にはこのようにお祀りされている神々も
【熊野那智大社】
朱塗りの社殿は「熊野権現造」。那智大社への参拝を終えたら、社殿右手から滝の間近へ歩いてみてください。那智大滝に近づくにつれ周囲の空気がより清澄になっていくのが分ります。滝の水しぶきによるマイナスイオン効果プラス、周囲一帯が醸しているヒーリングパワーのおかげです。深呼吸をすると、神聖・清澄な空気が体内をきれいにしてくれるのが感じられます。
●大滝は「飛沫大神」として
祀られている
【熊野速玉大社】
もともとは神々が降臨された神倉山にお祀りされていましたが、ここは約500段もの石段を登らなければ行けない大変な勾配。そこで、人々が足を運びやすい現在の鎮座地におうつりになりました。正面の鳥居をくぐると、左手に当神社の神木である我が国最大のナギの木がそびえています。「平重盛お手植え」の伝承があり、天然記念物に指定されています。
●目にも鮮やかな朱。境内には
落ち着いたエネルギーが流れている
【番外編:湯の峰温泉】
発見されたのが約1800年前。日本最古の温泉地で、熊野詣での「湯垢離場(ゆごりば)」として栄えました。日に7回色が変わるという「つぼ湯」は、多くの物語を秘めています。一度お湯に浸かっただけで、荒れたお肌がつるつるしたのにはびっくり。「浴場として唯一の世界遺産登録」の温泉場ですから、ぜひ一度美肌体験してみてくださいね。
●スーパー歌舞伎でも有名な
“つぼ湯”。蘇りの湯でもあるという
<文責&写真 ・小松瑠美>